Shanghai lady
size:B4/watercolor,aclyric on paper

 

note


 20196月に中国・上海にある朱家角という風光明媚な古都に3ヶ月間アーティスト・イン・レジデンスに参加した。

人生初の中国。巨大な都市、溢れるほどの人、全てがエネルギッシュでダイナミックであった。とりわけ気になったのが街の女性たちである。

 近くの小籠包屋では、朝の4時から女性たちは店に出て、仕事を始めていた。中国の人々はとてもエネルギッシュで生き生きと働いてる。

滞在前は、ニュースから流れてくる社会主義の中で情報を統制された生きにくい場所だと考え、ネガティブイメージばかりを膨らませていた。勿論、国家の歪みのようなものを感じる部分はたくさんあった。

 例えば、完治していない傷をそのままにした人が非常に多いこと。

片目が見えなくなっている男性や女性、骨折した指をそのまま放っておいて変形した指を持つ人。

中国で知り合った人に聞くと、病院では診察券を所持することにお金がかかるため、貧困層の人は病院に行くお金がないのではないかと言っていた。

 驚いたのは、、住んでいる場所や仕事をしている場所も、オーナーが変わればすぐ立ち退かなければならないと言う暮らしの理不尽さだ。日本では考えられない。3ヶ月、現地の私立保育園に子供を週2回預けていたのだが、私たちが帰る月に、突然閉鎖が決まった。オーナーが変わり、経営者とオーナーの反りが合わず、払えない額の家賃値上げを提示し、立ち退かなければならないということだった。愕然とする出来事の一つだったが、中国ではそんなことは日常茶飯事だということだった。

 そんな理不尽さを孕んだ国で生きることは、気力が削がれてしまうのではと考えてしまうが、そんなことに構っていたら生きていけないと言わんばかりに皆エネルギッシュに次を探せばいい、といって、享受しながら生き抜いているのだ。

 このレジデンスが始まった時、私は中国の女性たちをたくさん写真に撮って描こうと考えた。その熱量の多さ、強さ、そういった混沌の中で子供を産み育てていったおばさんたちがとても魅力的に感じたのだ。

 私たちの生まれる少し前に文化大革命があり、その最中に生きていた人たち。

 あらゆる価値観が一気に変容し、ルールが一気に変わり、そこで生きていかなければならない理不尽を許容し、たくましく生きて行く姿がとても愛おしくみえる。

 生きることの強さを目の当たりにしたような気持ちになった。女性たちの服はとんでも無く派手で、上下柄の服を着て、街を練り歩いている。自分がここにいるぞと大声で叫んでいるようにもみえる。

 

 いい感じのおばさんを見つけるとオバハントと称し、写真を撮り、それをドローイングに書き留め、作品化することにした。